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レッグウォーマー試着

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         名に固実なし。これを約してもって実に命じ、約定まり俗或る、これを実名と謂う。

                                     荀子/正名


      ※ 現在、通用していろ名称は、本来、この名称でなければならないと定まってい
        たわけではない。本来、現在指している実体を指すと定まっていたわけでもな
        い。ただ、人びとが約束によってきめたにすぎない。だが、約束が社会的に認
        められろと、その名称は最適であり、約束に反した名作は不自然であると感じ
        られるようになり、名称と実体は切り放せなくなったのである。(「名称を定
        める際の原則」)


      およそ人の取るや、欲するところいまだかつて粋にして来たらず。その去るや、悪
      むをところいまだかつて粋にして往かず。 

                                     荀子/正名


      ※ 望みを実現しようとしても、望んだものそれだけがやってくるとはか分からな
        い。また、嫌なものを除こうとしても、嫌なものそれだけが去ってゆくとはか
        ぎらない。だから、われわれは行動に先立って、必ずそれにともなう利害を秤
        りにかけてみなければならない。(「みすみす損をせぬために」)

      ※ 共通のことばをもたない集団は分裂する。白を黒ということの通用する世の中
        は混乱する。荀子は、ことばを正すことによって、世の姿勢を正そうとした。
        さらにこの篇は、後半、欲望の問題にふれる。本篇に現われた認識に関する主
        張は、「解蔽」篇と密接な関係がある。論理学上の貢献についてふれておけば、
        荀子は、先秦の論理学を総合して、自らの論理体系をつくりあげた。なかでら、
        概念が社会的な約束で成立することを指摘して、ことばと概念を分類していっ
        たのは、かれの功績である。 

                                                            

                                                                         荀子
                                    B.C. 313 ーB.C..238  

 


【省エネ実践記:レッグウォーマー】

レギンス(leggings)は、下半身を寒さからまもるウォーマー(防寒下半身着)のこと。そして、下
半身着全般を指すボトムス(bottoms)分類される。ここで、上半身着をトップと呼ぶ(tops)。それ
じゃ、レギンスと「スパット(spats)との違いは?と問われて直ぐに答えられる人はどれぐらいいる
だろうか。それでは、オーバーニーソックス(over-knee socks)とニーソックス(knee socks)の違い
は? 実は、後者は、膝上丈の長靴下であり、オーバーニーソックスよりも長い靴下、太もも丈のサ
イ ハイソックス(thigh-high socks)(下図)を指すというのだが、レギンスには足首まで覆う10分
丈から膝上の5分丈など、いろいろな長さが存在する。また、スパッツはぴちぴちしたズボンみたい
に見える。それじゃ、スパッツ(spats)とトレンカ(trecker)の違いは?後者は踵にひっかけるよう
な仕様になってるというもので、スティラップ・パンツ(stirrup pants)とも呼ばれる。このように、
わたしのようなものにはさっぱわからない世界である。



難しいことはこれぐらいにしておいて、本題に入ろう。レギンズは蒸れるのでろいうことで、ハイソ
ックスかレッグウォーマーか迷ったがレッグウォーマーを選び、それを試着しその効果を体験する。
効果はあるがハイソックスを試着比較していないのでその違いが分からないが、試着するまでもなく
ハイソックスの方が暖かいだろうと考えるが、当面、これで冬の寒さを防ぎ省エネを実践する。とこ
ろで、足の爪の手入れをしていないと引っ掛かるので要注意。

 

● ペロブスカイト太陽電池の開発経緯 Ⅱ

さらに、ハン教授(武漢科学技術大学、中国)は封止無しで、擬似太陽光照射下で 1000 時間以上の
耐久を示すペロブスカイト太陽電池の作製に成功した[36]。耐久性の向上には、以下の4つのポンイ
トが考えられる。

(1)最初のポイントの(1)はハン教授の論文中でも議論されている内容であるが(2)および
  (3)については論文中に記述はなく、著者の予測も含めた内容である。(1)有機ホール輸送
  材料を使
  用しない構造であったために、その2重結合鎖の分解やドーパントイオン の拡散を考える必要が
  無くなった事が挙げる。
(2)多孔質カーボン背面電極を使用して<glass/ FTO/ compact-TiO2/ porous-TiO2+ perovskite / porous-
   ZrO2+ perovskite / porous-carbon+perovskite > 構造をとる太陽電池を作製した(下図3。ペロブス
  カイト上に積層する正孔輸送材料もペロブスカイトと相互拡散して、結晶構造が変化する劣化す
  ることが知られている[37]。しかし、ハン教授のペロブスカイト太陽電池は最後に多孔質電極構
  造内部に流し込むことになり、ペロブスカイトは他材料の積層時の影響を受けなくてすむことに
  なる (下図)。さらに、ペロブスカイトは多孔質カーボン表面と非常に強いコンタクトを持つ
  ことが XRD およびXPS 測定により判明し、その結果、使用したカーボン電極は多孔質構造であ
  るにも関わらず、その多孔質内部はペロブスカイトで満たされると、湿度のブロックにおいて非
  常に強い効果を得ることになる [38]。つまり、水に弱い CH3NH3PbI3 ペロブスカイト結晶は、
  多孔質カーボンの細孔内部に埋める事が出来、さらにカーボンとの強固な結合を有するために、
  カーボン内部では水に対する耐久性が向上したものと考えられる。
(3)ハン教授は CH3NH3PbI3 に HOOC(CH2)4NH2 (5-aminovaleric acid; 5-アミノ-n-吉草酸)を少量
  添加した [36]。これは、色素増感型太陽電池の TiO2 と色素の接合のように、TiO2 表面とペロ
  ブスカイトの接合を向上させる働きがあるものと考えられる。この HOOC(CH2)4NH2 の添加に
  より、TiO2 とペ ロブスカイトの間の乖離が発生しにくくなり、水分子が入り込まず、耐久性が
  非常に向上 したものと考える。
(4)ハン教授の論文[36]にはペロブスカイト結晶の2次元化のコメントは挙げられていないが、材
  料のXRD データを見ると、その2次元結晶化は明白である。つまり、3次元結晶である CH3N
   H3PbI3 ペロブスカイトに、HOOC(CH2)4NH2 を添加することで、結晶を 2 次元化したことが挙げ
   られる。この 2 次元化による湿度に対する耐久性の向上はマッギーヒー教授(米国)により報告されてお
   り[39]、ペロブスカイト結晶の 2 次元化はその耐久性向上において重要な開発項目であるといえる。 ま
   た、このような構造 <glass/ FTO/ compact-TiO2/ porous-TiO2+ perovskite / porous-ZrO2+ perovskite /
   orous-carbon+perovskite >   のペロブスカイト太陽電池は、85 度での熱耐久性においても効果を発揮
   し ている [40]。これを使用したモジュールの変換効率は 10%ということである。 

  Dec. 14, 2016

伊藤省吾準教授らの兵庫県立大学伊藤グループでは、ペロブスカイト太陽電池における耐久性におけ
るカー ボン電極の役割を検証し、カーボン電極とペロブスカイト層が強固に相互作用して結合してい
ることを、特にカーボンと鉛、およびカーボンとヨウ素が強く影響していることをXPSおよびXR
Dによる測定により見出した[38]。さらに、兵庫県立大学伊藤グループではカーボン電極を使用した
CH3NH3PbI3 ペロブスカイト太陽電池が 100℃の高温下での熱耐久性試験を行った。そのときには、
太陽電池内部の封止材の位置は発電部位の外側のみに存在すること(side sealing)が重要であり、封止
材が発電部位(ペロブスカイト結晶)の上側を覆っている場合(over sealing)には熱劣化が進むこと
が判明した(図4)。そのover sealing の場合の熱劣化による光電特性は、30時間程度で安定状態
に達するが、封止無し(naked)では徐々に直線的に劣化していくことが判明した。これは、ペロブスカ
イト太陽電池デバイスの劣化モードが外気と反応しているか、もしくは封止材と反応していることに
よる違いであると考えられる[41]。さらに、暗所のもと封止材有りで 2500時間以上の耐久性 を
示すことを確認した(図5)。

 Dec. 16, 2016


Dec. 14, 2016

今後は、ペロブスカイト太陽電池の実用化を目指して、このような環境高耐久型ペロブスカイト 太
陽電池の開発が加速するものと考えられるとこのように報告している。

ここで、耐熱温度を80℃ではなく、より負荷を重くして100℃にしていると推察するのと120
℃近辺から有機材料が離炭領域に入り、部分的な環縮合や分解が生じやがて450℃付近で発火燃焼
する。当然、正極層とペロブスカイト層との相互拡散による劣化も同時に起きているだろう。さらに、
2500時間といえば3.5時間/日として2年程度で、結晶シリコン系太陽電池のライフサイクルが
30年を目標しているなか、類似商品市場での競合は難しく、フレキシブル(ウエアブル)太陽電池
市場(カラフル化が可能であれば)特化できそうであるが、市場規模が小さければ直ぐさま過剰生産
になるだろう。

従って、2017年は、品質安定/向上、量産化に向けての駄目出し過程に入り、頂上は見えてくる。

                                                                                この項了


【参考文献】 

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