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Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
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帰ってきたドラッガー

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                                 戦いの道   /  地水師(ちすいち)

                                      

  ※ 「人は生まれてれて群なきあたわず」(荀子)。人問は本質的
    に社会的存在である。「師」とは多数の集団、または軍隊のこ
    とである。周代の制度では、五百人を旅(りょう)、二千五百
    人を師、一万二千万百人を軍という。集団、軍隊には指導者が
    必要である。指導者の良否は、そのまま集団の運命につながる。
    多数の哨兵を率いて戦いに勝ち抜くにはどうすればよいか、こ
    れはまた現代の管理者の課題でもあろう。この卦(か)は、集
    団の指導者の道を説く。その原則は、「貞正」である。どんな
    に苦しくとも正しい目的があるかぎり民は必ずついてくる。

 

 Jan 4, 2017

【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 13】

風況を選ばない高出力インテリジェント風力発電機

【制御サーキットの最適化】

● 目標と成果

タンデム風車ロータと内外二重回転電機子方式二重巻線型誘導発電機の連携プレーを見守りつつ、
風速に応じ、回転速度、出力を制御するための独立電源方式と系統連系方式に対する二次側周波数
変調サーキットを構築。この場合、二次側に用いる双方向に適用できるインバータがキーポイント
となる。2次側の周波数と電圧によって二重回転電機子の挙動を制御する方法は初めての試みで、
独立電源用と系統連系用の両者を対象とし、

発電機内に設けたセンサからの回転速度,回転方向,出力および風速の信号を受け、インバ
ータによる2次側周波数変調(二次励磁制御、電圧、周波数)法を最適化する。このとき、
定格運転開始風速以下では最高効率運転、定格運転開始風速以上では一定出力運転を実現さ
せる必要がある。基盤課題Aにおいてもこのことを十分考慮して、風車ロータのみで出力一
定を極力目指しているが、発電機側すなわち制御系の力を借りることをも考えている。 二重巻線形誘導発電機の特筆すべき利点は高風速域で、2次側からも出力が得られる点であ
る。この場合、2次側制御に用いるインバータは双方向が要求されるので、新たなインバー
タを開発するとともに、系統連系方式制御サーキットを構築する。

 

とくに、タンデム風車ロータと二重回転電機子方式二重巻線型誘導発電機の連携プレー能力を最大
限発揮させるため、次の目標を達成する。

定格運転開始風速以下では最高効率点運転、定格運転開始風速以上では一定出力が実現でき
る制御サーキットの構築 独立電源方式,系統連系方式制御サーキットの構築 2次側双方向インバータの開発と系統連係方式制御サーキットの設計

風速回転速度信号による二次側周波数変調方式の構築

①発電機の最適化、②発電機と制御系の最適マッチングの二重回転電機子方式二重巻線形誘導発電
機の特性試験結果を導入、二次側周波数変調方式を構築した(上図)、風速すなわち前後段風車ロー
タの回転速度NF、NR 信号を受け,発電機からの出力である一次側周波数 f 1 と電圧V1 を一定に保
つ(f 1 =60Hz、V1=200V)ために必要な二次側入力周波数 f 2 と電圧V2 の制御値を定め、それら
を発電機にフィードバックする方法である。

独立電源方式の制御方法検討

本風力発電ユニットを独立電源に供するため,試作1号発電機(8極3相,同期速度900min-1、定
格出力1.2kW)を搭載した装置(下図3-2)を用いて、まず、 (1) 1 次側、2次側の投入順序など
の制御方式の確定,(2) 2次側電圧/周波数調整用のインバータ交換、(3) 2次側電圧/周波数調整
用のスライダック追加、(4) 2次側データ収集用のパワーメータ追加(低周波数帯域での電圧、周
波数、電流、電力の精度確保のため)、(5) すべり周波数の測定、(6) 将来を想定した系統連系用
の制御回路追加、(7) 風車方向制御用のモータ駆動回路追加などを行う。

以上の成果を踏まえ、外部負荷に応じた,1次側出力電圧(V1=200V)と周波数(f 2=60Hz)を一定
に保つ独立電源に供するために必要な、2次側励磁周波数 f 2 と電圧 V2 データの収集を実施する。

● 2次側双方向インバータの開発

二重巻線形誘導発電機では、高速回転域で2次側からも出力が取り出せる利点がある(下図3-3)、
この場合、2次側に接続するインバータは従来と異なる双方向が要求されるので、その開発に着手
しているが、発電機と結合試験はまだ実施していない。なお、現在の発電ユニットは回生抵抗方式
によって2次側からの出力を吸収している。

開発した双方向インバータの制御ブロック(下図3-4)は以下の通り。


相対回転数演算部:前段・後段ロータの回転速度より風車相対回転数を演算し、相当する周
波数を計算 出力パターン発生部:風車ロータの相対回転周波数より、その周波数における出力可能電力
の最大値を内臓パターンより算出 制御演算部:本装置の主演算部であり、(a)発電機の1次側巻線に商用電源が印加され回転磁
界を発生しているという前提のもとに演算を実行する、(b)出力電力指令と風力発電周波数の
情報から、VVVFインバータ(可変電圧可変周波数制御)の周波数と電圧を演算する.(c)あ
る風車回転速度以下の加減速を助勢し(駆動モード)、出力可能な回転速度まで風車回転速
度が上昇していれば発電を開始する(発電モード)、(d)出力パターン部より指示された発電
量となるようにVVVFインバータの周波数と電圧を制御する、(e)制御方式は,すべり周波
数一定制御、可変周波数、可変電圧制御である。(f)発電を開始すると、負荷により風車回
転速度は低下するが、制御演算部は、風力発電周波数を情報として入力しているので、そ
の周波数に合わせて出力を減じるから、出力周波数は自動的に安定 VVVFインバータ制御部:指示された周波数と電圧となるようにPWM信号(パルス幅変調)
を発生させる(キャリア周波数は10.7kHz) 電力検出部:総合した発電電力を検出するが、発電量は風車が誘導発電機として発電する量
と2次側から回生される発電量を合計した電力量 電力演算部:出力パターン部の出力指示量と実質発電量を比較し、同等となるようにCVCF
インバータ(定電圧定周波数装置)の位相をシフトして発電機の2次側から電力回生をする。 CVCFインバータ制御部:CVCFインバータは商用電源に同期して運転するが、(a)商用電源
とインバータ間の位相をシフトすることで電力を可逆的に移動させることができる.(b)CVCF
インバータの周波数と電圧は商用電源を常時追従。(c)電力潮流は,直列に挿入されたイン
ダクタンスを介して行い、このインダクタンスの両端電圧を監視して制御情報とする。(d)
回生電力量の指示に従い、インバータの位相をシフト、電力演算部の出力がゼロとなるよ
うに制御、(e)CVCFインバータの直流入力電圧を監視して逆流を防止する。

 

● 制御対象発電機の特性

二重回転電機子方式二重巻線形誘導発電機の試作1号機における計画特性を下図3-7 に、本発電
機を用いた風力発電ユニットの電気的接続を下図3-8 に示す。

発電機の励磁は商用電源(3相60Hz)に接続された励磁巻線によって行われ、この励磁巻線の施
されたフレームを励磁巻線側と称し座標軸にとることにする。このように座標軸を励磁巻線側に
置くと電気的には励磁巻線側は固定されているのと同じである。図3-8 の一点鎖線で示した部位
から出力を取り出せば下図図3-9 の関係が各風速にて当てはまり、風車ロータは軸出力に関係な
く一時的にこの関係を維持しながら変化するものとする。このとき、前後段風車ロータの相対回
転速度に応じて図3-9 の電力を出力するように制御すれば良いことになる。



● 電気的関係

対地関係が制御に全く影響を与えないと仮定した場合、前述のように励磁巻線側を座標軸にとれ
ば、この励磁巻線側を普通の誘導発電機と同様に固定して考え、回転巻線側のみが相対速度で回
転していると考えても電気的には同様である。すなわち、単純な2重巻線形誘導発電機と考えれ
ばよいことになる。下図3-10 にその例を示す。仮想固定された励磁巻線側に3相交流電圧を印加
すると、60Hz-8P 相当の回転磁界が生じる.このとき、回転磁界から見た回転巻線側の相対速度(
スリップに相当)は風速に対して図3-10 のようになり100%から-33%までをカバーする必要のあ
ることがわかる。電気的に考えると、回転巻線に100%から-33%までのスリップに相当する周波
数の3相電圧を印加すれば同期回転することになり、これは60Hzから逆回転の20Hzに相当する。
加速を行うにはスリップは正の電動機として動作させ、軸より出力を取り出す、即ち発電動作を
行うにはスリップを負に設定すればよい。

発電機の相対速度を周波数換算して横軸にとり、縦軸に回転巻線に印加する電力の周波数をとれ
ば、上図3-11 の黒実線が同期周波数となり、これを回転巻線に印加すれば回転巻線側の軸出力は
ゼロの同期速度で回転していることになる。電動機として動作を行うには前述のように回転巻線
に印加する周波数を同期周波数より遅く、発電機として動作をさせるには印加周波数を高く設定
し、その関係を図3-11 に点線で示す。なお、VVVFインバータの低周波数能力に制限があり(3Hz
以下は発生できない)不感帯を持っている。



本発電機の等価回路を上図3-12 に示す。スリップS が負によりR/(-S)とL/(-S)とから電力が湧き出
てくることになる。一次側に接続されたVVVFインバータはスリップ周波数を確保するために指定
された周波数で運転される。インバータ出力電圧をα 点の電圧以上に制御すれば電流は商用電源
側に流出するが、インバータ電圧をα 点電圧以下に制御するとVVVFインバータ側に出力電流が
流れ出る。つまり、回転磁界の励磁を強めておけば風力発電機の出力は商用電源側(励磁巻線側)
に流出し、回転磁界の励磁を弱めればVVVFインバータ側(回転巻線側)に流れ出ることになる。

ここでは、VVVFインバータ側より僅かながら電力が商用電源側に流出させる安定制御を目指すこ
とにする。回転磁界側には電力が流出しない制御を原則的には採用するが,過渡時・商用電源急
変時・事故時等の不測事故時に電力の逆流が発生すると、VVVFインバータは電力を可逆に取り
扱うために、直流ステージに電力が蓄積され過電圧が発生して素子破壊に至る。なお、回転磁界
側の相順を逆にして回転方向を反転させるときの発電機との協調現象の解明が未経験ではあるが、
当面、回転磁界側のVVVFインバータからも電力が取り出せるようにVVVFインバータは回生CVC
F と組み合わせている。このとき、直流ステージが一定電圧以上にならないように、CVCFインバ
ータは回生制御を行う。

● 発生電力一定制御

本風力発電ユニットの大きな特徴は高風速域で前後段風車ロータ間の相対回転速度を一定に保つ
能力を備えることであり、誘導発電機制御システム側からの援助により相対回転速度すなわち周
波数を高精度で一定に保つことができる。本誘導発電機は最大トルクが低いので出力にして2倍
程度までは一定に保てるが、それ以上の領域では印加周波数 0Hz=VVVFインバータ短絡で風車
ロータの能力に任せることになる。

以上のことから、実機若しくはシミュレータベンチ等による①総合閉ループ制御の確認と②電力
試験が必要である。2kW 程度の電機シミュレータベンチに実機発電機をセットし、励磁巻線側
を固定し、回転巻線側を強制的に指定相対回転速度で回転させれば、静的動作は確認検証できる
このとき、回転巻線側の挙動も(励磁の強さと電力潮流の関係)も設計通りかどうか把握できる。
その後、風速の変化に追従する追値制御の安定制御定数を決定する。追値制御は次数が一段と複
雑になるが、静的試験で容認するならばコンピュータシミュレーターのソフト開発も可能である。
風車ロータの回転挙動に自由度を与えると、取り出す出力の設定にルールが必要となる。たとえ
ば、多分対地回転速度の情報が必要となり、取り出す出力の最大を求める評価関数を探す必要が
あろうと考えられ、制御のフローは見直ししなければならず、更なる今後の課題として残される。

また、前後二段の風車ロータの相対回転数が一定になる点を誘導発電機の励磁巻線側定格回転数
に一致させれば(そのような関係になるように風車ロータの大きさと誘導電動機の極数を決める
必要がある)、VVVFインバータの相順の反転やそれに伴う不感帯の設定等の複雑なシーケンス
が必要なくなり、制御にも不連続点を無くせる、と結論する。

                                    この項つづく 

 Jan. 4, 2017
Source: OpenEI, Transparent Cost Database

● 帰ってきたドラッガー

世界経済フォーラム(WEF)のは、風力と太陽エネルギーが、2018年までに、ほとんどの国
で化石燃料をよりも、安価になると推測する。それによると、石炭と天然ガスへの依存が総発電
量の62%にあるにもかかわらず、「再エネ」は効率とコストでここ数年間で競争力を高めてお
り、09年より太陽光エネルギーは80%逓減し、風力発電はここ3年間で30%逓減し、昨年
どは、化石燃料の価格高騰も影響し、多くの国でグリッド・パリティを達成が実現した初年度と
なった。報告書では、「補助金なしで既に30カ国以上がグリッド・パリティに達しており、今後
2〜3年で世界の3分の2がグリッド・パリティに到達するはず」と報告書は付け加えており、
「電力コストが年間3%上昇すれば、今後数年間に世界市場の80%がグリッド・パリティに到
達する」とし、すでに、 チリ、メキシコ、ブラジル、オーストラリアは、すべてグリッド・パリ
ティに達した国として引用されている。

 
Jan. 3 ,2017
Solar Could Beat Coal to Become the Cheapest Power on Earth - Bloomberg



しかし、日本の現状は、福島第一原発事故以降、原発政策の巨大な(天文学的な)負のレガシー
に押しつぶされるかのような状況に晒されている。例えば、19日、東芝が米国の原発建設で計
上する損失額が、最大で七千億円規模に膨らむ可能性があることが分かり、損失最大7000億
円 米原発事業 政投銀に支援要請 しており、このため、東芝の半導体事業の主力製品「フラッ
シュメモリー」を分社化する検討に入っていることを伝えているが(東京新聞 2017.1.19 夕刊)、
早稲田大学大学院の長内厚教授は「むしろ原発事業を切り離し、ほかの事業を育てるのにお金を
使うべきだ」と指摘する。主力行幹部は、「原発事業は不確実性が非常に高く、東芝がどういう
形で関与するかが重要だ」と語っている(産経新聞 2017.01.20)。

原発政策の負のレガシーは経済だけではない。巨大地震、火山噴火かなどによる原子炉などの核
施設の被災事故が発生すれば、日本列島全体が崩壊し、世界を巻き込むことになる。かって、米
国の社会生態学者のピーター・ドラッガーは、「リスクは富を生む」と発言しているが、「必要
は成功の母」「失敗は成功の母」とも読み取れる言葉であることを、改めて思い起こさせる世界
フォーラムの報告記事である。

 

  ● 今夜の一曲

ヤナーチェク 弦楽四重奏曲 String Quartet No.2「内緒の手紙」Ⅳ
                              Allegro-Andante-Adagio 

弦楽四重奏曲 第1番ホ短調『クロイツェル・ソナタ』は、レオシュ・ヤナーチェクが1923年10月
30日から11月07日にかけて作曲した弦楽四重奏曲。1924年10月17日にプラハで初演される。この弦
楽四重奏曲は以下の4つの楽章からなるが、全曲を通して演奏してもおおよそ15分程度の長さし
かない。またそれぞれの楽章は、順を追って物語を展開どおりに音楽化している。つまり、主人公
が妻の不倫を知って苦悩する場面から開始楽章が始まり、終楽章で妻の殺害に至るのである。

  


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